ビジネスシーンにおける感情コントロールの方法や効果を解説!

感情コントロールについてこのようなお悩みを持っていませんか?

「そもそも感情コントロールって何?」
「感情をコントロールできないとビジネスにどんな悪影響がある?」
「感情をコントロールする方法は?」

ビジネスにおいて仕事ができること以上に大切になるのが「感情コントロール」ですが、実は管理職の方であっても感情をうまくコントロールできていない人は多いのです。

しかし、そもそも感情的になることが悪いことだと思っていないという方や、業務への悪影響を考えたことのないという方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、仕事における感情コントロールできない悪影響や、上手にコントロールする方法について詳しく解説していきます。

目次

感情コントロールとは?

感情コントロールとは、喜怒哀楽という人間の感情の中でも、主に”怒”と”哀”というネガティブな感情を自分の意思で抑制し、コントロールすることを指します。

感情コントロールは日々関わる人たちとの人間関係の構築においても非常に重要です。ビジネスシーンにおいても仕事のパフォーマンスを発揮するため、周囲との人間関係を良好なものにするために、感情をコントロールする力が役立ちます。

仕事で感情コントロールができない悪影響

ビジネスで感情コントロールができないと下記の4つのような悪影響を及ぼす可能性が高くなってしまいます。

  • モチベーションを下げ、離職率が高くなる
  • 部下から信頼されなくなる
  • 仕事のパフォーマンスが下がる
  • ハラスメントにつながることがある

それぞれの悪影響について詳しく解説していきます。

1.モチベーションを下げ、離職率が高くなる

イライラが抑えられず、すぐに怒鳴る上司がいる場合、部下は萎縮してモチベーションが下がり、本来のパフォーマンスを発揮できないことにつながります。心理的安全性が重要だという考え方は広がってきましたが、感情的な上司の存在は心理的安全性を損なうでしょう。

感情コントロールできていない管理職から理不尽に怒られたケースのある部下や後輩の中には離職を決断する人も多く、大切な人材を失うことに繋がってしまいます。

日本アンガーマネジメント協会が次のような調査結果を発表しています。

3年以内に辞めた新卒の50%以上は上司との良好なコミュニケーション不足が原因で離職

Q.どうすれば退職を回避できたと思いますか?

第一位:上司との良好な関係(28.2%)

第二位:(上司からの)適切な叱られ方(22.6%)

新卒3年以内の離職に関して、怒りに関する調査結果を発表!

上司との関係が、給与や待遇、仕事内容よりも離職に大きな影響を与えていることがわかります。そのため、感情コントロールは上司としても重要なスキルと言えるでしょう。

2.部下から信頼されなくなる

感情的に物事を判断したり、怒りに任せて怒鳴ってる上司のことを信頼する部下は少ないです。

直接的に部下には怒りをぶつけていない場合であっても、イライラしながら仕事をしている上司には話しかけづらい雰囲気が出ているため、部下から頼られる機会が少なくなる可能性があります。

仕事では仕事ができるかどうかはもちろんですが、人間関係による評価や判断も行われるものです。知らないうちに、評価を下げてしまいかねません。

3.仕事のパフォーマンスが下がる

気分にムラがあり、感情的になりやすいと感情コントロールができないと、集中力の低下につながります。先延ばしといった悪癖につながる可能性もあります。
部下を抱えていれば、その部下はモチベーションの低下や怒られないように萎縮した仕事の仕方をするようになり、組織全体の作業効率が下がり生産性が低下してしまいます。

また、感情的に仕事をしてしまうと、普段はミスしないようなことをミスしてしまったりするため、作業の修正にも時間がかかってしまうことも多いです。

4.ハラスメントにつながることがある

感情コントロールのできない管理職の方が高圧的に接してしまった場合、部下によってはハラスメントだと感じる場合もあります。

なにがパワハラか分からない。どこまで叱っていいのかが難しい

研修に行くと、このように言われることがよくあります。
こう考えている人であれば、パワハラにならないよう気を使いながら叱るでしょうが、感情的な人の場合には、相手を傷つけてしまうような怒り方をするかもしれません。たとえ内容が正論であったとしても、伝え方によってはパワハラとなります。むしろ内容が正しい分余計に相手を追い詰めることもあるのです(ロジハラ)。

パワハラは部下の離職や精神的な問題を引き起こす可能性があります。そうなると、自身の評価を下げることになり、最悪の場合訴訟へと発展することがあるので注意が必要です。

感情コントロールが苦手な人の特徴

1.ストレスを抱えている

普段からストレスをため込んでいると、心の余裕がなくなり、感情的になってしまいます。ちょっとしたイライラする出来事に対しても、過度に怒ってしまうことも。また、怒りだけではなく、ネガティブに考えることが多くなり、辛さや悲しさで頭が働かなくなってしまうこともあります。

ストレスは仕事上のことに限りません。プライベートの不安や直前の出来事が、仕事中にも悪影響を及ぼすこともあります。

たとえば、家族や恋人と喧嘩をしてしまって仕事に集中できない。金銭的なトラブルを抱えている。こうしたことは、仕事そのものとは無関係ですが、悪影響をもたらすストレスです。

2.睡眠不足や体調不良

睡眠不足になると、脳の前頭葉の働きが低下するとされています。前頭葉は、論理的に考えたり、感情の調整をしたりする機能があります。

そのため、睡眠不足になると、怒りやすくなったり抑うつ的になったりと感情をコントロールする力が弱まります。

それだけではなく、「抗ストレスホルモン」と呼ばれる、名前の通りストレスから心身を守ってくれるホルモンが存在しています。睡眠不足に陥ると、このホルモンの分泌が少なくなるためストレスに弱くなる傾向にあります。
ストレスがたまると、寝付きが悪くなり睡眠不足になり、さらにストレスをためやすくなるといった悪循環に陥ってしまいます。

3.相手の立場に立てない、自分が正しいと思いすぎている

常に「自分が正しい」と思っていると、反対意見には反抗するしか選択肢がなくなります。動物はストレスに対して、闘うか逃げるか(闘争・逃走反応)を示します。危険から身を守るための反応ですが、現代の人間社会においては、激昂して感情的になり闘うことが最適とは言えません。

「自分の意見は正しい」と考えるのは、相手の立場で物事を見ることができていないからかもしれません。その人の視点だけでは正しいと思えるものでも、相手の視点からすると理不尽であったり、無理解な意見だったりします。

常に「自分が正しい」と考えていれば、相手の意見を聞いたり思いやったりすることもほとんどないでしょうから、人間関係に問題を抱えることにもなります。

仕事で使える感情コントロールの方法

原因から距離を取る:場所を変える、時間を空ける

感情をコントロールするシンプルな方法の一つが、感情的になる要因から距離を取ることです。

たとえば、同僚と口論になってしまったとしたら、少しの間その場を離れてみる。ある作業に対してどうしても手が進まないとしたら、他のやるべきことから取り組んでみる。こうした時間的・空間的な距離を取ることで、気持ちを変えることができます。

アンガーマネジメントの手法として、6秒ルールと呼ばれる方法があります。怒りの感情が湧いてきてすぐ言葉にするのではなく、6秒間は我慢するというもの。感情のピークは6秒ほどでおさまるため、このような考え方が提案されています。とはいえ、6秒間ずっと相手から罵倒されていたのでは、怒りがおさまることはないでしょう。

だからこそ、原因に対峙しなくていいように、いったん距離を置くことです。

深呼吸をする

人の身体と心は密接につながっています。感情が高ぶっているときの特徴として、呼吸が速く、浅くなりがちです。反対に、落ち着いているときには、呼吸はゆっくりと深いものになりやすいです。
これを活かして、ゆっくりと深呼吸をすることで、気持ちを落ち着けることができます。

ポイントとしては、息を吸うことよりも、息を吐く時間を長くすること。口から細く、長く息を吐いていきます。時間をかけてゆっくりと息を吐き切ります。すると、自然と息を吸うことになります(鼻から吸いましょう)。これを2,3回繰り返すことで落ち着いてきます。

また、呼吸に集中することで、マインドフルネス瞑想の状態となり、意識からイライラの原因と距離を置くこともできます。いつでも手軽にできるのでおすすめの方法です。

睡眠をしっかり取る

仕事中にできる対策ではありませんが、睡眠をしっかり取ることも重要です。人によって最適な時間というのは異なりますが、6~7時間ほどは取った方がよいでしょう。

睡眠は感情コントロールだけではなく、集中力や判断力が鈍り、自己中心的になりやすいようです。

カルフォルニア大学バークレー校の研究者が、睡眠時間が1時間減るだけで、親切心が低下すると発表した
Sleepless and selfish: Lack of sleep makes us less generous(訳:睡眠不足と利己主義睡眠不足は寛大さを失わせる)

自分一人の仕事のパフォーマンスが落ちるだけではなく、チームや組織としての生産性にも悪影響を及ぼしかねません。様々な側面から、充分な睡眠時間を取ることが大切です。

if-thenメソッド:ルールを決めておく

行動に変化を起こす「if-thenメソッド(if-thenルール)」という手法があります。
「Aをしたら、Bをする」と事前に決めておくだけで、目標達成率が4割以上向上したという効果の高い方法です。

この方法を取り入れることで、感情コントロールを容易にします。

「怒らないようにする」「後回しにしないようにする」といった「やらないこと」を決める行動目標は、難しいとされています。これはするべきことが具体的ではないため、どうしていいか分からなくなるからです。そこで、感情的になったときにするべきことを決めておきます。

「感情的になったら、◯◯をする」

この◯◯に入れるものは、実際にできそうだと思うものであればなんでもOKです。

  • その場から離れる
  • 1分間、手を見つめる
  • 深呼吸を5回する
  • ノートに気持ちを書き出す

できるだけシンプルなものがよいでしょう。

物事の見方を変える、考え方を変える

選択肢をひとつに絞らない

ビジネスにおいて感情コントロールをするためには、選択肢をひとつに絞らずに柔軟な考え方を持つことが大切です。

例えば、「仕事を成功させるためには、この方法しかないと考えて業務に取り組んでしまうと、その通りに進まなかったときに負の感情が生まれてしまい、焦りや怒りとなってしまいます。

そのため、仕事を遂行するときに「絶対にこうであるべき」という考えを持たずに、仮に予定通りのスケジュールで仕事が進まなかったときでもさまざまな視点から解決策を導けるような柔軟性を持っておくことが大切なのです。

自己中心的な考え方をしない

自己中心的な考え方をしてしまうと、部下からの意見や作業について「なぜこうしないんだ」と負の感情が発生してしまうことがあるため、部下の気持ちを考えながら仕事をすることが大切です。

長年会社に勤めて管理職になると新人の気持ちや部下の気持ちを理解しにくくなることもありますが、意識的に部下の気持ちの立場に立って考えることで「なぜできないのか」「どうしてそんなことをするのか」というネガティブな感情を抑えることができます。

また、自己中心的な考え方をせずに感情コントロールをうまくするために、「ディソシエイト」という考え方が有効です。

ディソシエイトとは、自分自身に起きていることを自分と分離して考えることを指し、自分を客観的に見るためにも大切な考え方ですので覚えておきましょう。

感謝できること、よいこと、学べることを探す

怒りや不安などのネガティブ感情に振り回されているときには、その出来事にあるよいことに気づけていないものです。しかし、様々な視点で考えてみると、出来事や相手に感謝できること、メリット、学べることなどが必ずあります。

こうしたポジティブな面に気づけると、自然と感情も切り替わります。

<経験談>
とある企画をチーム提案したところ、他の人から厳しいフィードバックをもらいました。はじめは、イライラしてイヤな気持ちになり、次第に自信を失って落ち込んできました。しかし、落ち着いてくると、そのフィードバックに納得する部分がありましたし、気づいてない部分に気づかせてくれる内容でした。

そのおかげで、より良い企画を作ることができたので、感謝しています。

ビジネスの感情コントロールを学ぶ方法

ビジネスにおいての感情コントロールを成功させるためには、アンガーマネジメントを学ぶことが重要だと言われているため、まずはアンガーマネジメントを学んでみましょう。

アンガーマネジメントは、書籍やYouTube動画、Web記事などでも学ぶことができますが、よりビジネスに特化したアンガーマネジメントを学びたいのであればセミナーや勉強会への参加も検討することがオススメです。

まとめ

本記事では、ビジネスにおいて感情コントロールできない悪影響や、上手にコントロールする方法について詳しく解説していきました。

感情的になりやすいと、パフォーマンスの低下や信頼を失うことにつながりやすい面があるため、自分に合った感情コントロールの方法をいくつか持っておくことをおすすめします。

ぜひ本記事を参考にしてビジネスにおける感情コントロールについて理解・実践してみてください。

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