if-thenルールとは?3ステップで脳が楽して習慣化できる最強の方法
「目標を立てても、なかなか行動に移せない」
「三日坊主になってしまう」
「習慣化に取り組んでも、継続できない」
こうした悩みを、3分ほどで解決できるのが「if-tthenルール」です。たった3つの要素に、一言ずつ答えておくだけで、行動量・継続力が格段にアップします。
この記事では、その効果から方法、具体的な事例、さらに効果を高める方法などを詳しく解説しています。
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if-thenルールとは?
if-thenルール(またはif-thenプランニング)は、「もしXが起きたら、Yをする」と事前に決めておくことで、行動しやすくなるメソッドです。
if-thenルールを使った方が、そうでない場合よりも2~3倍目標を達成する可能性が高いとされています。
『やり抜く人の9つの習慣』で紹介されている研究では、if-thenルールを使った人の91%が運動プログラムを継続できたのに対し、普通に目標設定をしただけの人は39%しか運動を習慣化できなかったそうです。
強い意志力に頼らない手法なので、脳が楽に行動でき、目標達成や習慣化に役立ちます。
1990年代にニューヨーク大学の心理学者でもある、ピーター・ゴルヴィツァーによって研究され、心理学では「実行意図(Implementation Intentions)」と呼ばれています。
以来、30年近く研究され続けており、その効果について繰り返し確認されてきました。
ゴルヴィツァー教授による実験
目標を達成するための行動を「いつ、どこで、どのように行うか」事前に計画しておくだけで、目標達成率が40%上がった
アンジェラ・ダックワース博士による実験
高校生が夏休み期間にif-thenルールを使ったら、勉強量が2倍になった
なぜif-thenルールには効果があるのか?
決めたことがなかなか行動に移せないのは、自分の中に原因があることも。行動に移すのを邪魔している4つの妨害があります。
- はじめるときにつまずく(Failing to get started)
- 脱線する(Getting derailed)
- 待ったをかけない(Not calling a halt)
- 自分の限度を超えてしまう(Overextending oneself)
if-thenルールは、ルールを定めることによってこれらの妨害を事前に対策している状態になります。そのため、悩むことなく行動を実行し、継続しやすいため高い効果を持っています。
if-thenルールを使わないデメリット
目標だけでは不十分
目標を立てることの重要性は、ビジネス書をはじめとして、多くの著者やビジネスリーダーが語っています。また、その際には強いコミットメントが大事だとも言われます。
しかし、単に目標を立てるだけ、決意するだけでは不十分だと言います。
年始や誕生日など節目のタイミングに目標を立てる人は多いようですが、数日もすれば目標を忘れてしまっていることも珍しくないでしょう。
Forbes Healthには、次のような話も掲載されています。
新年の高い目標を立てたものの、数ヶ月(あるいは数週間)後には挫折してしまうという人は、あなただけではありません。実際、新年の抱負に失敗することはよくあることで、そのような失敗を記念する(非公式な)日付がたくさんあるほどだ。ある情報源は「新年の抱負を捨てる日」を1月17日としているが、他の情報源は1月の第2金曜日を「辞めた人の日」としている。
New Year’s Resolutions Statistics 2023
目標や計画を立てただけで終わってしまう人、三日坊主になってしまう人は、特にオススメしたい方法です。
楽をしようとする
目標を達成する、新しい習慣を身につける。そのためには、いままでやっていなかった行動を取り続ける(もしくはやってきたことを辞める)必要があります。
これは脳にとって、大きな負担になります。
目標達成するレベルの新しい行動を継続的に続けるには、今まで使っていなかった脳の神経細胞を活性化させる必要があります。当然、非常に負担がかかります。
一方で、テレビやYouTube、インスタグラム、ゲームなど手軽で、いますぐに、楽しさといった快楽を得られる行動があふれているのが現代社会です。
楽な方へ流れやすいのは、身をもって経験されていることでしょう。
楽なほうへ流されるのは、脳神経外科医の築山節氏によれば「快を求めて不快を避けようとする脳の感情系の欲求を制することができなくなりつつある状態」なのだそうです。
手軽に快を得る手段が豊富にあり、ストレスや睡眠不足によって抑制力が低下した状態に陥りやすい現代では、意志の力だけで頑張ろうとするのは困難だと言えるでしょう。
if-thenルールのメリット
強い意志力なしで、行動が自動操縦になる
if-thenルールを使う最大のメリットが、行動を自動的に行いやすくなることにあります。
ダイエットのためにジョギングをはじめようと決めたとしても、「いつ、どのくらいの時間(またはどのくらいの距離)、どのような格好で、誰と」行うのかといった具体的な計画がなければ、ほとんど続かないか一歩目を踏み出すこともないでしょう。
それは朝目覚めた後や、仕事から帰宅した後に、「これからジョギングした方がいいかな」と考えるプロセスが発生し、脳の負担や疲労感から実行を先延ばしされやすくなるからです。
if-thenルールでは、すでにタイミングとやるべきことが明確になっているため、脳への負担が少なく行動に移すことができるようになります。
習慣化しやすい
習慣化のコツには次のようなものがあります。
- 行動が具体的であること
- いつやるか明確になっていること
- 別の習慣になっている行動とセットにすると続けやすい(後述するハビットチェーン)
if-thenルールを使う場合には、これらの要素が自然と取り入れられるため、習慣化しやすい特徴があります。
行動量が増える
行動を習慣化できると、どんどん負担が減り、自然と行動できるようになります。脳の新しい神経回路がつながるためです。
自信がつく
自分で決めたことを達成できることは、達成感や成功体験につながります。
毎日の行動が自信につながりますし、徐々に目標に近づいていると感じると、自然とやる気にもつながっていきます。すると、行動量の増加につながり、さらに自信を高めることができるでしょう。
if-thenルールの3ステップ
得たい結果や習慣化したいことを明確にします
「もしXなら~」に当たる、行動を起こすための具体的な手がかりを特定します。
なにをしたとき、なにが起きたら、どこに行ったら~するといった、頭を働かせる余地なく「いまXだ」と分かるものにしてください。
「これは行動をはじめるXだろうか?」と考える必要があるなら、まだまだ具体的とは言えません。
歯磨きが面倒だと言う人はいますが、そんな人でも歯磨き粉をつけて歯ブラシを手に取ったら迷うことなく歯磨きをはじめるでしょう。
とにかく簡単に置く的できる具体的なものを設定してください。
目標を達成するための行動や習慣にしたい行動を決めます。
このときに次のようなポイントがあります。
- 決めた通りに実行できる具体的な行動
- 自分ひとりでもすぐにできる
- 複合的な行動(例:ジョギングする)よりも、単純な行動(例:ジョギングウェアに着替える)の方がより実行しやすい
if-thenルールの具体例
様々な具体例を紹介していきます。アイデア次第で、どのような状況に対しても、ルールを設定できます。
具体的な内容を参考にして、自分のif-thenルールを作るのに役立ててください。
勉強時間を増やす
- 電車に乗ったら、まず勉強アプリを立ち上げる
- 電車に乗ったら、単語帳を開く
- 帰宅したら、机に座ってテキストを開く
- 家を出発しようと思ったら、机に帰宅後に使うテキストを置いておく
- ご飯を食べたら、机に座ってテキストを開く
運動習慣を身につける
- 帰宅したら、ジョギングウェアに着替える
- 水曜日の仕事帰りには、ジムに行く
- 帰宅したら、腕立て伏せを10回やる
- 朝起きたら、ストレッチを行う
- エスカレーターがあったら、階段を使う
お金の使い方を見直す
- 百均に行ったら、最大10品しか買わない
- 1万円以上のものを買うときには、1日時間をあけて考える
- 飲み会に行ったら、1次会で帰る
- 収入が入ったら、5%は別枠で貯金する
if-thenルールに使えるアプリを紹介
if-thenルールは非常に手軽なので、紙とペンだけでも問題ありません。
スマホの場合であれば、if-thenルールを活用した習慣化のサポートをするアプリもありますので紹介します。
IFThenNote-習慣化・継続支援アプリ-
iPhone用アプリ
IFThenNote-習慣化・継続支援アプリ-
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IF THEN RULE
iPhone・Android用アプリ
If-thenプランニング
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if-thenルールの効果をさらに高める方法
ハビットチェーンをつくる
ハビットチェーン(Habit chain)を直訳すると、「習慣の鎖」です。ハビットチェーンは既に定着している行動や習慣に、新しく習慣にしたい行動をつなぎ合わせていく方法です。
習慣化するのに効果的な手法だとされています。
たとえばジョギングを習慣とする場合。
いきなりジョギング自体を習慣にしようとすると、気持ちの面でハードルが高いかもしれません。
そこで、まずはif-thenルールを使い「仕事から帰宅したら、ジョギングウェアに着替える」ことを習慣にします。次に、「ジョギングウェアに着替えたら、ジョギングシューズを履く」ことを習慣にします。
そして、「ジョギングシューズを履いたら、外に出る」。「ジョギングシューズを履いて外に出たら、歩きはじめる」。
このように小さな行動を鎖のようにつなげていきます。
最初の目標は、着替えることの習慣化です。その後の行動はやってもいいし、やらなくてもいい。着替えることが習慣になってきたら、ジョギングシューズを履くことを習慣にしていきます。
小さな行動の一連の流れがセットになることで、負担を減らして習慣にすることができます。
WOOP
WOOPは、心理学の研究に基づく効果の高い目標達成に役立つフレームワークです。
メンタル・コントラスティングを同時に行うことにより、if-thenルール(実行意図)の効果を高めることができます。
WOOPは下記の4ステップからできています。
- Wish(願望):やりたいことはなにか?
- Outcome(最高の結果):Wishをすることで、どうなったら最高か?
- Obstacle(障害):どんな状況や気持ちが実行を邪魔するか?
- Plan(計画):障害を考慮に入れて、if-thenルールを使う
例:ジョギングを習慣づけることに対して、WOOPを行う
Wish(願望) | ジョギングを習慣づけたい |
Outcome(最高の結果) | 身体が引き締まり、身体の調子も精神的にもいいパフォーマンスでいる |
Obstacle(障害) | 仕事後なので疲れている |
Plan(計画) | 仕事から帰宅したら、すぐにジョギングウェアに着替える |
まとめ:if-thenルールを使って、苦労せずに頑張る
なにかしらの目標や願望を実現したいとすれば、行動が必要なのは言うまでもないことでしょう。
しかし、いくらわかっていたとしても、どんなにそれをやった方がいい、そうなりたいと思っていたとしても、楽な方に流されやすいのが人間というものです。
if-thenルールを活用することで、負担を減らしながら行動量を増やし、継続しやすくなります。たった3つの要素を事前に考えておくだけで、目標達成率が2倍ほどになるので、ぜひ活用してください。