セルフマネジメントとは?基本から高める方法まで紹介

「セルフマネジメントって、一体どういうものなの?」

この記事では、セルフマネジメントとはどういうことかという基礎的な知識から、すぐに実践できるセルフマネジメント力を高める方法までわかります。

仕事とプライベートの両立や、様々なタスクを効率的にこなすことが求められる中で、セルフマネジメントのスキルがますます重要となっています。セルフマネジメントを少しでも、日々の仕事やプライベートに取り入れてみましょう。

「セルフマネジメント」に関するセミナーも開催している当協会が、効果的なセルフマネジメントのポイントをお伝えします。

目次

セルフマネジメント(自己管理力)とは?

セルフマネジメント(self-management)とは、日本語で「自己管理力」と言います。
自分の時間やエネルギー、感情を適切に管理し、成長や目標達成をサポートするプロセスのことです。

効果的なセルフマネジメントを身につけることで、働き方や生活習慣を改善し、ストレスを軽減しながら自分の能力を最大限発揮できるようになります。

セルフマネジメントの最重要ポイント

セルフマネジメントにおいて、最も重要なポイントは「感情」にあります。

なぜなら、パフォーマンスは内面の状態に左右されるからです。どんなに優秀な人でも、優れた知識やスキルを学んでも、心の状態によって能力を発揮できないことがあります。

そのため、自分の能力を発揮できるような心の扱い方を身につけることが、セルフマネジメントの最重要ポイントだと言えます。

なぜセルフマネジメントが重要なのか?

働き方の変化などに伴い、セルフマネジメントが注目されるようになってきました。

リモートワーク(テレワーク)の普及

新型コロナウイルスや働き方の変化によって、リモートワークが普及しました。自宅で仕事をすることで、通勤のストレスや時間が軽減されるメリットがある一方で、周囲に同僚がおらずプライベート空間で仕事をするため、気持ちのオンオフの切り替えが難しくなりました。

こうした状況でも、仕事で能力を発揮するためにセルフマネジメントは効果的です。

個人が主体的に働くことが求められる

VUCAという言葉で表現されるように、現代は環境の変化が激しい時代となっています。AI技術など、今後ビジネスに大きな影響を与える技術も活用されるようになってきました。

そのような時代環境でより成果を出すため、単に上司の命令をこなすだけではなく、主体的に目標設定や時間管理を行い仕事を進めて成果を出すことが求められてきています。

仕事のやりがいを叶える

仕事観の変化により、かつてに比べてやりがいやワークライフバランスなど、給与以外の精神的な充実もより仕事に求められるようになってきました。

出典:平成元年と平成30年の新卒社会人各1,000人を対象にした仕事観に関する調査

「好きなこと(やりたいこと)を仕事にする」こともその手段ですが、目の前の仕事を楽しみ充実したものにすることも、精神的な満足感を得るための一つの方法です。

特にセルフマネジメントは、元々やりたい仕事であったかどうかに関わらず、今の仕事をやりがいのあるものにしながら、能力を発揮するのにも役立ちます

セルフマネジメントができる人、苦手な人の特徴

セルフマネジメントができる人の特徴

主体性を発揮している

自分がすることを自分で決める主体性を発揮しています。

自分が状況や周囲をコントロールできていると感じられる状態を、心理学で「コントロール感」と言います。コントロール感が高い人ほど、ストレス耐性が強く、柔軟な対応や前向きな考え方ができると考えられています。

そのため、より能力を発揮しやすい状態になり、それによってよりコントロール感を高く持つことができる好循環に入ることができます。

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自分のことをよく把握している

自分が能力を発揮しやすい状況や仕事の取り組み方、反対に苦手で時間がかかってしまうタスクなど自分のことを理解しています。
他にも、イライラすることや落ち込むことがあったときに、ネガティブな感情に引きずられずに対処する方法を知っている。

こうした自分がどのようなときに能力を発揮でき、どのようなときにパフォーマンスが下がるのかを知っておくことで、適切に対処することができます。

優先順位を決められる

現代では、様々なタスクに対処することが求められます。元々の仕事に加えて、トラブル対応や上司からの依頼など、突発的なタスクが増えることも多々あるでしょう。組織にとってあなたにとって、本当にやるべきタスクを行っていくために、適切なタスク管理やタイムマネジメントは欠かせません。

そのために重要なことの一つが、優先順位を決めることだと言えます。

セルフマネジメントが苦手な人の特徴

レジリエンスが低い

レジリエンスとは、トラブルやストレスを乗り越える力「(精神)回復力」です。レジリエンスが高いと、ストレスから立ち直り行動を起こすことができます。

しかし、レジリエンスが低いと、ネガティブな気分やストレスをいつまでも引きずってしまいます。そのため、いつもモヤモヤとしていて、本来の力を発揮できないことにつながります。

主体性を発揮できず、受け身な姿勢でいることが多い

他人のちょっとした行動や仕草、発言に影響を受けて反応しやすい傾向があります。そのため、必要以上のストレスを抱えてしまう傾向にあります。

受け身の姿勢でいることが多いので、周囲にコントロールされているように感じて、ストレス耐性も低下してしまいがちです。

セルフマネジメントを身につけることで、少しずつでもコントロール感を取り戻していくことがオススメです。

完璧主義で過度にこだわり過ぎてしまう

仕事をより良いものにしようとするのは、すばらしいことです。しかし、完璧主義に陥っている人は、必要以上の時間をかけてしまい、結果として他のタスクにかける時間まで失ってしまいがち。

本人が自覚しているかどうかは分かりませんが、完璧主義は「失敗したくない」「他者から悪く思われたくない」などの不安を避けることが目的の一つになっていることがよくあります。

自分の感情との付き合い方を身につけることで、完璧主義の傾向を軽くするとよいでしょう。

セルフマネジメントのスキル

明確な決まりがあるわけではありませんが、次のようなスキルによってセルフマネジメントは構成されています。

感情マネジメント

1つ目のスキルは、感情マネジメントです。
感情マネジメントとは、感情をうまく活用する能力のことです。

「感情をコントロールする=感情を抑える」と思われるかもしれません。しかし、単に感情を抑えることではなく、感情を受け入れながら、行動や判断に前向きに活かしていく方法です。

目標設定、目標達成スキル

2つ目は、目標を設定し、達成するためのスキルです。

  • 目標設定
  • プランニング
  • PDCA

与えられた目標に従うだけではなく、自分にとっての目標を設定し、計画を立て、改善することで、主体的に成果を出していくことができます。

タイムマネジメント(時間管理)

3つ目は、時間管理のスキルです。

私たちに与えられた時間は1日24時間。これを増やすことも、減らすこともできません。タイムマネジメントによって、この限られた時間で、望む結果を得るために効果的に仕事を進めることができるでしょう。

パフォーマンス管理

4つ目は、パフォーマンスを発揮するためのスキルです。

人は持っている能力を、常に最大限発揮できるわけではありません。体調やストレス、モチベーションなどによって、パフォーマンスを発揮できないこともあれば、普段以上に力を出すこともできます。

  • マインドフルネス
  • 体調管理
  • メンタルヘルスケア
  • モチベーションの維持、向上

こうした取り組みによって、本来持っているパフォーマンスを発揮できるようにすることで、仕事の進み方も改善されていきます。

セルフマネジメント能力を継続的に高める方法

自分を知る

「誰でも、自らの強みについてはよくわかっていると思っている。だが、たいていは間違っている。わかっているのは、せいぜい弱みである。それさえ間違っていることが多い。しかし何事かをなし遂げるのは、強みによってである。弱みによって何かを行うことはできない。

(中略)

強みを知る方法は一つしかない。フィードバック分析である。何かをすることに決めたならば、何を期待するかをただちに書きとめておく。9か月後、1年後に、その期待と実際の結果を照合する。私自身、これを50年続けている。そのたびに驚かされている。これを行うならば誰もが同じように驚かされる」

『プロフェッショナルの条件』P・F・ドラッカー著

自分の強みについても弱みについても知らないことがよくあります。知らなければ、強みを活かすことも、伸ばすこともできません。優れたノウハウも、自分に合っていなければ、うまく活用することは難しいでしょう。

人それぞれ得意なことや苦手なことがあります。集中しやすい環境や時間帯が違います。自分自身の個性や特性を理解することによって、最大限能力を発揮することができるようになっていきます。

そのために欠かせないのが、自分を知ることです。

自分の何を知ると良いか?

  1. 価値観:自分にとって大切なこと、心が動くもの
  2. 自分の強み、得意なこと
  3. 自分の弱み、苦手なこと
  4. パワーシチュエーション:どのような状態、状況でパフォーマンスを発揮できるか

①の価値観は、モチベーションや能力を発揮する源泉とも言えるものです。
自分の価値観に合う目標や行動であれば、高いモチベーションを持つことができますし、ストレスや困難にも負けずに挑戦し続ける力が湧いてきます。
一方で、価値観に合わない行動や目標は、「仕事だから…」「お金のために…」などと義務感や受け身の姿勢になり、精神的にもパフォーマンス的にも満足できないものになりがちです。

自分の価値観を知り、活用することは、仕事でもプライベートでも非常に大きな影響をもたらします。

②~④は、言い換えると、自分の「得意(勝ち)パターン」と「苦手(負け)パターン」を知るということです。

  • 周りに人がいる方が、集中して作業ができる
  • 周りに人がいない静かな環境の方が、集中して作業ができる

人によって集中しやすい環境は違います。

もし出社かリモートワークかを選べるなら、得意な環境を選ぶ方が能力を発揮できるでしょう。リモートワークは、通勤のストレスや時間がなくて良い一方で、同僚とのコミュニケーションが減ったり、家には家族がいたりすることもあります。しかし、どちらも本人の性格や状況などによって、メリットにもなれば、デメリットにもなります。(同僚とのコミュニケーションが少ないことで集中できる人もいれば、コミュニケーションが少ないことがストレスに感じる人もいる)

職場環境やタスクを完全に自由に選べるわけではないと思います。今いる状況の中で、あなたの強みを発揮できる割合を少しずつでも増やしていけるとよいでしょう。

自分を知る方法

①考えたこと、感じたことを言語化する

自分の価値観を理解するのに役立つのが、考えたことや感じたことを言葉にすることです。特に強く感情が動いたときのことを振り返って言語化するとよいでしょう。なぜなら、価値観は感情の裏にあるからです。つまり、感情をヒントにして、心から大切にしたいことである価値観を知ることができるのです。

感情を言語化するのに、使いやすいフレームワークがあるので紹介します。

  • 感情が動いた出来事はなにか?
  • そのとき、なにを考えたのか?どう思ったのか?
  • どう感じたのか?
  • その裏に隠れている思い、本音は?
  • 価値観:上記のように感じたのは、どんなことを大事にしたいと思っているからか?
『発信力を強化する「書く」「話す」サイクル』 さわらぎ寛子著
筆者の実例
感情が動いた出来事はなにか?

先輩と意見が衝突した

そのとき、なにを考えたのか?どう思ったのか?

先輩が100%間違っているとは思わないが、お客様のためにならないのではないか?それっておかしくないか?

どう感じたのか?

モヤモヤ、イライラ、ガッカリ感

その裏に隠れている思い、本音は?

お客様に喜んでもらいたい、ちゃんと役に立ちたい。

価値観:上記のように感じたのは、どんなことを大事にしたいと思っているからか?

喜ばれる仕事がしたい。貢献。そうした意味で、優秀でいたい

例として、昔にあったことを思い出して書いてみました。過去の出来事を書いてもよいですし、現在のことを書いてもよいです。

②成功した(失敗した)ときの、事実を書きとめる

お客様に喜ばれた、プロジェクトが成功した、商談がうまくいった。日々の仕事から、強みを見つけることができます(反対に、弱みを見つけることもできます)。

ポイントは、仕事がうまくいったと感じたときのことを、よく観察することです。

STEP
仕事がうまくいった場面を鮮明に思い描く

いつ、どこで、誰がいて、その場にはなにがあったのか。なにが起きていたのか、どんな状況だったか。
できるだけ詳細にシーンを思い描いてみましょう

STEP
今回の成功に結びついた一番の事実はなにかを考えてみる

成功をもたらした決定的な瞬間、出来事、場面を探し出します。

例)商談でお客様の心を掴めたように感じる場面があった。サクサクと資料を作ることができた

STEP
ステップ2の状態をなぜ得ることができたのか考えてみる

成功をもたらした場面を生み出した理由が、なにかあるはずです。それはなにか考えてみましょう

例)お客様と同じ趣味だとわかった。朝一で資料作りをしたら集中できた

STEP
+α:さらに深掘りしてみる

ステップ3からさらに深掘りして考えてみます。
具体的な理由が見つかったなら、抽象化する。
抽象的な理由が見つかったなら、他の具体的な場面を想像してみる。

例)お客様と同じ趣味だとわかった→似ているもの、近いものが見つかると親近感を感じてもらえる

また、時間を引き伸ばしてみたり、出来事をコマ送りのように細かく見てみたりすると、違った発見が得られることもあるでしょう。

時間を引き伸ばすというのは、たとえば商談がうまくいった場合、まとまったときだけではなく、アポを取る前や準備段階といった中長期的な視点で考えてみると、うまくいった理由が見つかるかもしれません。反対に、商談がうまくいった場面を細かく見ていくと、ある一言がお客様の心を掴んだ(ように感じた)と見つけられるかもしれません。

成功した(失敗した)場面をよく観察することによって、強みを発揮できる勝ちパターンを作っていけます。

③他者からフィードバックを受け取る

強みというのは、自分にとっては息をするくらい当たり前になっていることがあります。私たちは常に呼吸をしていますが、普段は呼吸していることに気づきません。それと同じように、実は強みを発揮していることに、気づいていないということがよくあります。

自分では気づかない強みを知る上で、他者からのフィードバックが非常に役立ちます。

「○○のスピード早いですね!」
「~~がうまいですね!」

同僚やお客様に感謝されたり、喜ばれたりすることがあるかと思います。もしかすると、自分では当たり前のこと、他の人でもできることと思うかもしれません。しかし、よく観察してみると、同じようにはできない人も意外といるはずです。

他の人を見て、「もっと早くできないのか?」「もっとこうしたらいいのにと心の中で思うことがあるかもしれません。
こうしたことを思う場面には、得意(=強み)が隠れている可能性があります。

フィードバックは、上司や同僚からの評価だけではありません。
感謝やお礼、褒める言葉など様々な形でフィードバックを得ることができます。

マインドフルネス

Googleがマインドフルネスを研修に取り入れているということで、話題になったのが「マインドフルネス」。今この瞬間に集中することとされています。

ほとんどの時間、目の前のことだけを感じているわけではなく、過去の出来事や未来について頭を働かせています(=雑念)。たとえば、昨日のちょっとした失敗のことが頭に浮かんできたり、3時間後の商談をどう進めるかを考えたりする。ごく当たり前のことですね。これらにも役割はありますが、その分だけ目の前のことに集中できていないのです。

マインドフルネスを実践すると、今この瞬間に集中するようになり、ストレス軽減・能力アップなどの効果が見られました。

もっともシンプルな実践方法が、呼吸に集中することです。
マインドフルネス瞑想の呼吸法として伝えられるメソッドはいくつかありますが、まずは細かいことを気にせず深呼吸をしてみましょう(「ちゃんと方法通りにできているか」ということ自体が、雑念と言えるので)。そして、空気の流れや身体の動きなど五感を感じてみてください。

まずは1分間深呼吸に集中すること、などからはじめてみるとよいでしょう。

セルフマネジメント能力を高める行動を習慣にする

セルフマネジメントは、一度知識やノウハウを学んだだけで、充分なものではありません。仕事や生活の中で、継続的に能力を磨いていくことが欠かせません。

そこで役立つのが、習慣です。

【習慣化のポイント】

・習慣化したい行動を1つだけ決める(欲張って同時に取り組まない)
・習慣化したい行動は、寝起き直後にできるくらい具体的にする
・できるなら、既にある習慣とセットにする(例:歯磨きしながら、かかとを上げる運動をする)
・効果よりも続けること
・途切れても気にしない。また続ければいい

いきなりあれもこれも習慣にしようとすると失敗しやすいので、まず1つ習慣にすることを決めましょう。その1つが、苦労せずに当たり前に続けられるようになったら、新しい習慣づくりに取り組むのがよいでしょう。

まとめ:セルフマネジメントは自分を活かすスキル

セルフマネジメントは、自分自身の時間、エネルギー、感情、そして行動を効果的に管理することで、成長や目標達成をサポートする重要なスキルです。

この記事では、セルフマネジメントの基本から、具体的にセルフマネジメント能力を高める方法までご紹介しました。

感情マネジメント、目標設定・目標達成スキル、タイムマネジメント、パフォーマンス管理、そしてセルフマネジメント能力を高める継続的な方法など、さまざまな側面からセルフマネジメントを実践することが重要です。

最後に、セルフマネジメントは継続的なプロセスであり、一度身につければ完璧というものではありません。日々の習慣や行動を見直し、試行錯誤を繰り返すことで、徐々にスキルを向上させていくことが大切です。あなたもセルフマネジメントを実践し、豊かで充実した仕事や生活を手に入れてください。

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