コーチングとは?スキルやビジネスシーンでの効果など徹底解説!

「コーチングって聞くことがあるけど、いまいちよく分からない」
「コーチングって本当に効果があるのか知りたい」

こうした疑問をお持ちではないでしょうか。
リモートワークの普及や「〇〇ハラスメント」対策、「心理的安全性」といった研究の広がってきたことで、求められるコミュニケーション能力も変化してきました。

そのような時代の変化の中で、コミュニケーション技術である「コーチング」も広がりを見せています。しかし、まだまだコーチングを役立てることができている個人や企業は少ないのが現状です。

この記事では、コーチングの基本的な知識からスキル、ビジネスシーンにおけるメリット・デメリットまで解説しています。
メンバーの主体性を引き出し、働きやすい組織を実現していきたい方はぜひご覧ください。

※このページでは、コーチングを行う人を「コーチ」と表現しています。立場に関わらず、コーチングを使ったコミュニケーションを行う人を「コーチ」としています。

目次

コーチングとは何か?

一般にコーチングとは、対話により目標達成を促す手法とされています。

当協会が伝える「GHCD®コーチング」は、「コミュニケーションとは、相互理解を通じて、新しい価値を生むこと」という前提に基づいて、願望実現を支援する技術です。

目標達成を促すだけではない、本質的なコミュニケーションの技術です。これにより、生産性の向上や主体性の発揮、人間関係・雰囲気の改善といった人材開発や組織開発で効果を発揮します。

個人が自分のために使えば、コミュニケーション能力の向上、モチベーションアップ、発揮できるパフォーマンスの改善、メンタルケアなど、仕事でもプライベートでも役立ちます。

※「GHCD®コーチング」については下記のページでお伝えしています

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ビジネスシーンにおけるコーチング

1on1や面談は、ビジネスシーンにおいてコーチングを活用する代表的な場面です。相手のモチベーションを引き出して、主体性を育むのに格好の場面と言えます。

ただし、コーチングを活用したコミュニケーションが役立つ場面は、部下の教育に限りません。上司との会話や取引先とのやり取りなど、あらゆるビジネスシーンに活用できます。

なぜなら、本質的なコーチングは、相手のことを理解し、信頼関係を構築するものだからです。

コーチングの特徴とティーチング、カウンセリングとの違い

コーチングの基本的な特徴

  • 対話によって行う
  • 相手の本音や能力を引き出す
  • 受け手が自分で答えを見つける支援を行う

コーチングでは 『答えはその人の中にある』という原則的な考えがあります。そのため、アドバイスなどはせずに聞き役に徹するものとして教えられることがあります。この点が、類似する技術との違いとして挙げられます。

しかし、話を聞くことだけがコーチングスキルではありません。聞くことや質問以外にも、フィードバックなど複数のスキルによってコーチングコミュニケーションが成り立っています。

こちらでコーチング5つの基本スキルについてお伝えしています::::要リンク修正

カウンセリング(counseling)

コーチングとカウンセリングの違い

カウンセリングは、主に心の悩みや困りごとを解決する取り組みです。カウンセリングの場合には、悩みの解消が目的です。単純化した表現をすると、マイナスをゼロに戻す取り組みです。

一方で、コーチングは受け手の目標達成を支援する取り組みです。つまり、よりプラスすることを目的としています。

ティーチング(teaching)

「教える」ことです。知識や技術を習得してもらうには、教えることも有効です。新しい業務や専門技術を身につけてもらうなら、直接教える方が有効でしょう。しかし、全てを教えていると自分で考える力が伸びていきません。

コーチングの場合には、教えるのではなく気持ちや考えを引き出すことを目指しています。コーチングを活用することで、自分で考え行動する力を高めることができます。

求める結果や状況に応じて、コーチングとティーチングを使い分けるとよいでしょう。

スクロールできます
コーチングティーチング
目的・相手のやる気や能力を引き出す
・主体性を促す
・業務に必要な知識や技術を身につけさせる
コミュニケーション双方向一方向
基本的なスタイル1対1の対話1対1~講義形式
取り組みに合う場面・相手との関係構築、改善をしたい
・自分で考え行動する後押しをしたい
・必要な知識や型を身につけてほしい
・知識によって、課題が解決できる状況
メリット・主体性を引き出すことができる
・自分で考える力を高める
・納得しやすいので行動につながりやすい
・短期間で知識やスキルを習得できる
・スキルが身につけば、すぐに効果が現れる
・少人数~多人数まで幅広く行える
デメリット・大人数に同時に行うことは難しい
・効果が出るのに時間がかかる場合がある
・受け手が受動的になりがち
・教える側の知識、スキル以上のものを伝えられない
・”正解”があると考えるようになりがち

コーチングの効果

コーチングによって、信頼関係を深めるとともに、受け手の主体性を引き出します。それにともなって、コーチ・受け手・組織それぞれのメリットをもたらします。

コーチが得られるメリット

  • 受け手との信頼関係を構築できる
  • 相手の考えや本音を理解できる
  • チームの成果を高めることができる
  • 部下やメンバーの生産性を高めることができる

対人関係や周りの雰囲気が良くなってくるので、働きやすい環境が整っていくでしょう。また、周囲からの信頼や評価も得られやすくなります。

受け手が得られるメリット

  • 自分の価値観や本音を理解することで、主体的な考え方に変わる
  • 新たな視点を得られる
  • 行動量がアップする
  • 内的なモチベーション(内発的動機)が生まれる

コーチングを受けることによって、自分が納得する答えを見つけることができるでしょう。指示や命令は、受け身の姿勢を作り出し、モチベーションの低下につながることもあります。
一方で、自分が心から納得した仕事や目標であればモチベーション高く主体的に行動できます。

コーチングを受けることによって、今いる状況でも能力を発揮し、やりがいや充実感を得られるようになります。

組織が得られるメリット

  • 雰囲気がよくなり、働きやすい組織になる
  • 心理的安全性を高めることができる
  • 組織の生産性が高まる

近年注目されている「心理的安全性」が高まることになります。

コーチングを学んだ当協会の受講生の組織では、次のようなことが起きています。

  • 離職率が50%ダウン
  • 営業成績アップ
  • メンバーのモチベーションアップ
  • チームの目標達成
  • チームが自立型組織になり、クレーム件数が70%ダウン

具体的なお客様の声は下記ページで紹介しています

一般社団法人日本GHCDコーチング協...

コーチングのデメリット

  • 大人数を対象に、一気に教育するには不向き
  • コーチのあり方や力量に左右される

相手が明らかに知識や経験がない場合に、完全に自分の力で考えさせる方法は効率が悪くなるでしょう。また、大人数に知識などを習得してもらうには教える方が向いています。

とはいえ、画一的に教えるだけでは、身につかないということも感じているかと思います。最低限の知識を学んだ上で、能力を伸ばしていくのにコーチングは役立ちます。

コーチングの活用事例

コーチングを学んで、仕事で活用された生の声を紹介します。

【コーチングを意識したらクレーマーじゃなくなった話】

Sさん

私は現在、市役所の生活保護の部署におります。

昨日、今日とクレーマーと言われる方に対応しました(あとから聞いたらたびたび窓口で問題になる人だったそうです) 。私は担当のケースワーカーではなく、 たまたま昨日は電話、今日は窓口で対応でした。

のっけから2人とも非常に怒った口調で話されていましたが、 具体化の傾聴を意識し、相手の頭の中にあるイメージを共有できるよう、問いかけていきました(最初からブチギレていて何を話しているかわからないので汗、解きほぐすように質問することを意識しました) 。

1件目の電話の方には、(担当ケースワーカーの態度が気に食わない、変えろいう主訴)「●●さんは担当を信頼したいんですね」と問いかけました。そうしたら、「そうだ」と。
信頼したい気持ちがあるのだと思い、「明日窓口に来る際、担当が対応するのは大丈夫ですか?」ときくと、「大丈夫」とのこと。「 今日電話の内容は担当に伝えますか」ときくと、「相手を困らせたいわけじゃない」と答え、おだやかに電話を切られました。

窓口の方には(病院とトラブルがあり、生活保護受給者を差別してるのではないか、市が何か指示をしてるのかとの主訴)、 お父さんを病院に連れて行った際の対応で頭にきたと話していたので、 「お父様を大事に思われてるんですよね?」と聞いたら、「そうだ」、とのこと。
市が指示していることはないこと、対応は確認が必要だがお父さんの体調は大丈夫かとのことを伝えたら、表情が和らいだため、 提案ですが、とその病院ではなく、他の病院も通院できること、お父さんの家の近くの医院を探したらどうか、と伝え、「ありがとう」と言葉を残し帰っていかれました。

窓口は対面でしたので、斜めの姿勢で相手に向き合う、相手にソフトフォーカスを意識してみました。コーチングの基本的な態度である、相手を尊重する、理解しようとすることがこれほど支援の場においては重要なんだ、と改めて感じました。

そして面倒な客だ、いやだなあ、ではなく何に困っているんだろう、と視点を変えることで自分自身も得るものがありました。

同僚からクレーマー対応すごいですね、と言われましたがそもそもクレーマーと捉えていなかった自分も成長したと思えました。

年上の部下から不満をぶつけられたが、「ありがとう」と感謝された

先日、部下(年上)の方がイライラしながら仕事をしていました。

話を聞いてみると私への不満や仕事の効率の悪さなど怒りにまかせながら怒涛の口撃……(前までの私だったら逆ギレしてしまい余計相手をイライラさせてしまっていたと思います。)

学んだ自分の感情(口撃されカッとしてる自分)を認識しながら落ち着き、傾聴、ソフトフォーカスを実践してみました。
すると私の不満の時にはトーンが激しくなり仕事の効率の悪さでは激しく手を動かしてました。
(私は自分の悪いところが発見でき改善しなくてはいけないとつくづく思いました…)

自分の非を認め、謝りました。
(忙しいから対応できないという思い込みもありました……)
すると相手の怒りの感情がしずまり優しい口調に戻りました。

そのあとは私の今思ってる事を伝え、相手の今思ってる事を聴き、改善策がハッキリと明確にできることができました!

仕事帰りには『いろいろ言えてスッキリしたありがとう!』と感謝の言葉も受け取れました!!

学んだことを使うだけでもこんなに相手が変わる事に自分でもビックリしています!
コーチングを身に付けていきこんな出来事がたくさんあっても対応できる自分にもっと成長していきたいです!!

コーチングのやり方

コーチングに必要な5つの基本スキル

  • 傾聴
  • 承認
  • 質問
  • フィードバック
  • 提案(リクエスト)

これら5つがコーチングの基本スキルとされています。

傾聴

傾聴とは、相手の話を深く聴く技術です。その目的は、安心感・信頼感を生み出すことです。

そのためには、ただ言葉だけを聞くのではなく、相手の表情やしぐさ、声のトーン、話の間などの言葉以外(非言語・ノンバーバル)にも注意を払うことで、より深く相手を理解します。

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承認

一言で言うと、相手を認めることです。

  • 存在そのものを認める
  • 行動・プロセスを認める
  • 結果を認める

「認める」ということが、結果を評価すると同一視されることもあると思います。しかし、結果を認めることは承認のほんの一部です。結果だけでなく、行動、そして存在を認めることで、「ここに居ていいんだ」と安心感を覚えることになります。心理的安全性を築くことにつながります

質問

コーチングの代表的なスキルが質問です。相手を深く知るためには、質問が欠かせません。優れたコーチは、質問を適切に使うことで、相手を理解し、相手自身が納得する答えを引き出します

脳は空白を嫌う性質を持っています(空白の原則)。そのため、質問によってできた空白を埋めようと、自然とその答えを考え出します。
それによって、感じ方が変わったり、別の考え方が見つかったりすると、行動も変化します。

ただし、質問の仕方次第では、相手をイライラさせたり信頼を損ねたりと、奥深い技術です。

フィードバック

コーチングにおけるフィードバックは、事実やコーチ側の気づき・感じたことを伝えることです。

自分の表情は自分では見えないように、他者から見た印象や行動しているときの様子は自分ではわかりません。フィードバックによって相手の鏡になることで、気づきを促します。

一般的な意味としては、行動や結果に対する評価や改善点などを伝えることとされています。しかし、この場合だと、直接的な指示になってしまうことがあり、受け手の主体性を失うことにつながります。

そのため、客観的な事実や感じたことを伝えることで、受け手の気づきを促すことを目的としています。

提案(リクエスト)

提案とは、相手に新たな視点を持ってもらう目的で行います。重要なのは、主体は受け手にあることです。

たとえば、受け手の知識や経験が不足している場合に、言葉が出てこないことがあるでしょう。そうしたときに、相手の許可を得て、考え方などを共有します。

「~~のような考え方もありますよ」
「○○という事例を共有します」

あるいは、なにかしらの目標や行動を「~してみませんか?」と提案することで、新しい視点で物事を考えるきっかけを作ります。

コーチングにおける提案は、相手にやってほしいことを要望することではありません。その場合には、指示や命令、アドバイスとなるでしょう。

なにより重要なのは、受け手が提案を受けるか辞めるか選んだことを、コーチは尊重することです。

コーチングを学ぶには?

学び方

大きく分けると、独学で学ぶ方法と講座や研修参加によって学ぶ方法があります。

独学のメリットとデメリット

独学のメリットは、あまりお金をかけずに自分の好きなように学ぶことができることです。

独学での学習方法
  • 読書
  • Udemy
  • 動画:YouTube
  • 音声:Voicyなど
  • サイト記事

しかし、デメリットとして、知識を覚えただけでは使いこなすのは難しいです。

コーチングはコミュニケーションですから練習することが重要ですが、独学の場合には、練習機会がなく、他者からフィードバックをもらうことが難しいでしょう。相手がどんな風に受け取ったのかを知ることができませんし、一人で試行錯誤しなければならないので、身につけるのが困難になりやすいです。

講座参加のメリットとデメリット

講座に参加してコーチングを学ぶメリットは、講師から直接学べることです。座学だけではなく、ワークやデモセッションを提供している講座もあります。コーチングがどのようなものか実際に体験し、身につけていくことができるでしょう。

当然ですが、独学に比べると、お金がかかることがほとんどです。数千円~数百万円と講座の種類によって、金額は大きく違います。

注意点としては、価格の安い講座は数時間程度ということ。コーチングの知識を学んだり、体験したりするのに向いています。ただし、コーチングを身につけたというレベルには程遠いです。
しっかりと身につけるためには、数ヶ月かけて学んでいくことが欠かせません。ビジネススクールのような高額の価格帯の講座もあるので、目的に応じて選ぶことが大切です。

コーチング資格

コーチングの資格は、全て民間資格です。民間資格は、企業や民間団体が独自に認定を行うものです。法規制がないため、1日で取得できるものからトレーニングと実践によって技術を認められた人が取得できるものまで様々です。

日本GHCD認定コーチ資格

当協会が発行しているコーチとしての資格認定です。他では学ぶことができない「GHCD®コーチング」の技術を身に着けたと認められた人だけに発行されます。

6ヶ月間の講座に参加することで、受験資格を得ることができます。その後、筆記と実技(コーチングセッション)の試験によって実力を認められた方だけが、コーチとして認定されます。

国際コーチング連盟認定資格

170の国と地域に57,000人以上(2023年2月現在)の会員を抱える世界最大規模のコーチの非営利団体、国際コーチング連盟((ICF: international Coaching Federation)が発行している資格です。

最低でも、60時間以上のトレーニング時間と100時間以上のコーチング経験が必要など、一定の技術が認められます。

資格取得できる機関

その他のICF認定スクール/認定プログラム提供団体

その他のコーチング資格

一般財団法人生涯学習開発財団のコーチング資格

コーチ・エィ アカデミアでコーチング理論やスキルを学んだ人が、資格試験を受けられます。「認定コーチ」「認定プロフェッショナルコーチ」「認定マスターコーチ」3段階の資格があります。

GCS認定コーチ

銀座コーチングスクールが発行する資格です。複数のクラスを修了し、5名以上のコーチングセッション(有料・無料を問わない)を経験しているなどの認定試験の受験条件があります。

コーチングを受ける

まずコーチングを体験してみたい場合には、当協会の認定講師によるコーチングをお受けください。
どの認定講師も、コーチング技術が認められるとともに、ビジネス経験も豊富です。悩みを解消する力になります。

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コーチング用語解説集

コーチングは新たな価値を生み出すコミュニケーション技術

コーチングはコミュニケーションによって相互理解をもたらし、新しい価値を生み出します。新しい価値というのは、本人が望んでいるもの、あるいはそれ以上の結果です。

人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである

『嫌われる勇気』

人との関わりが悩みの種であると同時に、結果を出すために必要なことも、人との関わりから生まれます。そのため、コーチングによるコミュニケーションは、信頼関係の構築やモチベーションアップなど、自分にも相手にも周囲にも様々な効果をもたらすことでしょう。

この記事の監修者


日本GHCDコーチング協会代表
株式会社みらい創世舎代表取締役

ケンタッキーで26年間5,000人以上の人財育成に従事。エンゲージメントを高め、生産性アップ・離職率低下に貢献。チーム・組織に変化を起こすGHCDコーチングの習得プログラムを提供。

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